2024.07.12

3Dで食の未来を描くー株式会社F-EAT(フィート)設立

ディレクションズ・グループ株式会社が有する3Dコンテンツ開発ノウハウと山形大学大学院理工学研究科・古川研究室が有する3Dフードプリンティング技術の社会実装を目的に2024年6月5日、山形大学米沢キャンパス(山形県米沢市城南)に株式会社F-EAT(Future Eat/フィート)を設立しました。

同社の目標は、たとえ病院のベッドにいても離れた家族や友人、恋人と一緒に食事ができるような、誰もが毎日の食事を楽しめる食環境を提供することです。いつでもどこでもパーソナライズされた食事が印刷できる3Dフードプリンティング技術とXR(複合現実)の融合でそれを実現します。まずは一部のレストランへの導入から始め、介護施設や病院、給食事業者へと広げます。

3Dフードプリンティングは要介護者人口の増加と共に、特に介護食分野での期待が高まっています。介護食の調理の手間の解消、高齢者の食事に対する満足度の向上が期待できることから、医療関係者や給食事業者から一日も早い実用化が求められています。

また代替肉、培養肉、スマート農業等のフードテック市場が拡大する中で、食の社会課題解決のための中核技術として注目されています。

山形県米沢市に、フードテックのシリコンバレーのような、世界的な3Dフードプリンティングの開発拠点を整備し、米沢から世界市場に向けた新産業を生み出す基盤となるべく、地元生産者や企業とも連帯しながら、事業化を加速します。

【設立の経緯】

山形大学の古川教授は、産官学の多様な機関が集うオープンイノベーションの場として2018年に「やわらか3D共創コンソーシアム」を設立し、会員企業と連帯しながら3Dフードプリンティングの社会実装を目指してきました。

また2023年より内閣府が主導する国家プロジェクト、戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)第3期「バーチャルエコノミー拡大に向けた基盤技術・ルールの整備」において、研究開発責任者として、AIと3Dフードプリンター、メタバース技術を掛け合わせた新たな介護食提供ソリューションの実用化研究を推進しています。

この度、これらの研究成果の事業化をスピード感をもって実現し、広く社会に還元するため、豊富な3Dコンテンツ開発実績を有するディレクションズ・グループ株式会社(代表取締役 長江 努)と協力し、2024年6月5日、株式会社F-EAT(代表取締役 伊藤 直行)を設立。

病院食、介護食の分野では、日本のみならず海外においても、食材の仕込みや調理に手間がかかりコストに見合わない、ペースト食の見た目の悪さから食事が思うように進まないなどの課題があり、それらを解決する手段として、3Dフードプリンターによる自動調理とメタバース技術による食事環境の改善が強く求められています。通常食においても高級レストランで腕を振るうトップシェフから、新たな食体験を生み出すソリューションとして注目されています。

 3Dフードプリンティングの社会実装を実現するためには、食材の生産から加工、流通、メニュー開発と調理など、消費者の口に入るまでに様々な事業者が介在しなければなりません。株式会社F-EATが中核となり、食品企業、先端機器開発企業、給食事業者、地元生産者、シェフやレストラン、国内外の大学と連帯し、一企業ではなしえない新しい食のエコシステムを共創していきます。

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